サンマの卵って、みんな知ってる?

2018-05-17食材について, 食について

サンマの卵、知ってる?

サンマの卵、実はそうそうお目にかかれるものではない、って知ってました?
見たことある人少ないのではないですかね?少なくとも私は見たことがありませんでした。

 

そんな珍しいサンマの卵ですが。ついこの前、食卓で遭遇してしまいました。

あまりの衝撃に椅子から転げ落ちるところでした。
見た目がスゴイ。あんなん子供がみたらトラウマになる。

てなわけで、今日はサンマの話。

糸と粒の衝撃(気持ち悪い)

ある日の夕飯。
私の目の前には、おいしそうなサンマの塩焼き。

いただきます!と箸を入れたはいいものの、謎の物体が箸に絡まってきました。

 

ん?糸??

 

なんだこれ?と引っ張ってみると、スルスルスルっと糸が続けて出てくる。
と同時に白い粒が糸に絡まるようにして次々に現れるではないか。

ナ ン ダ コ レ ハ

クモの巣のような糸と、謎の白い粒。なんという衝撃の見た目。
ショック過ぎて写真を撮るを忘れてしまったのが悔やまれます。

いかん、寄生虫の類にしかみえない(震え

サンマの卵

絵にするとこんな感じ。(なんか伝わらない…。 くっ…写真があれば…!)

焦って調べてみると、どうやらこの謎の物体はサンマの卵と判明。
その衝撃の見た目から、びっくりして「腐っている」とか「虫が入っている」等の勘違いをする人も多いとか。

このサンマは食べられない!と捨ててしまう人もいるようなのですが
ちょっと待った!!

ただ卵を持っているだけの、普通に食べられるサンマです。捨てないで!

卵はけっこう好みが分かれそうな感触なので、気持ち悪く感じるときは取り除くことを推奨。私は迷いなく取り除きました。

サンマの卵をあまり見かけないのはなぜ?

サンマ

そういえば、買ってきたサンマに卵があったことは今までなかったんだけども…何度も1匹丸ごと買ってきているのに、卵持ちの個体に出会わないのはなぜでしょ?

答えは簡単。「時期が違う」から。
晩夏~晩秋に日本近海で水揚げされたサンマはまだ産卵期ではなく、卵持ちの個体はとても少ない。よって市場に出回ることも少ないと、そういった理由のようです。

つまり、日本近海にくるサンマが卵をもつ時期には、サンマ漁をしていないってことです。

へぇー。知らんかったですよ。
ということは、卵持ちのサンマに当たるのはなかなか珍しくラッキーということなのか!

おおぅ、これはもしや…宝くじがあたる前兆…(むしろ運を使い果たした

ちなみに卵持ちのサンマを「糸引きサンマ」と呼ぶ地域もあり、以前はサンマの卵も食べられていたとか。
現在はサンマ漁をする時期が昔に比べて限られたために、サンマの卵は「珍しいもの」になってしまったんですなぁ。

実はサンマは謎の多い魚

色々調べていると、面白いことが分かってきましたぜ!
サンマはこれほど庶民の食文化に根付いているのに、実はその生態はあまり分かっていなかったんです!

ウナギなどのように「稚魚の数が少ないから研究しにくい」という理由ではなく、「生息地域が広すぎ&多すぎてよく分からない」という…なんとも不思議な理由。

サンマ
(サンマは広い地域に住んでいる)

稚魚がこの広い海域で「いつでもどこでも」見つかるために、日本近海で水揚げされるサンマがどこで生まれて、どこで育ってどこからきたのかが特定できない

さらにサンマ漁の時期が限られているために、サンプルを採取しようにも一時期のものに偏ってしまうため、研究が難しい

等々。サンマの生態を解き明かすには、いくつかのハードルがあったんですね。

近年ではサンマの卵を孵化させ、水槽で飼育する技術が開発されたおかげで、徐々にその生態の謎がとけてきています。

他にも産卵の条件や個数など、様々な研究結果がでているので、興味のある人は「サンマ 生態」とかで検索するといくつかヒットすると思いますのでぜひ。

サンマは年々少なくなっている。このままいけば、庶民の味ではなくなるかも…

船

さて、秋の味覚と言われるように、サンマは日本の秋を象徴するほどポピュラーな魚ですが、近年は漁獲量の減少が目立ちますね。ニュースでもよく取り上げられますし、値段も上昇傾向にあります。

その理由はいくつか挙げられていますが、決定的な原因はこれ!と断定はされていません。

・公海上での海外諸国の漁獲量が増加
・近年の気象状況の変化(水温や台風などの影響)
・他の魚の影響(マイワシやサバの増加が原因?)

等。

サンマ資源全体の減少も危惧されています。現状のペースでサンマを獲り続け、漁獲制限を厳しくする等の対策をしなければ、今後の回復は見込めずやがて失われてしまうのでは、という懸念も出てきています(減少の原因を特定していないため、諸説あります)。

独自にサンマの調査を行っているのは日本のみといわれています。この研究と調査が、今後に活きることを期待したいと思います。

おわりに

真面目にサンマを調べた休憩時間になってしもうた…。
次にサンマの卵に出あうことがあったら、写真撮って追記で載せたいと思います(いつの話だ

ということで今日の休憩はここまで!